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フラッシュバック (flashback) とは、幻覚剤によって体験した感覚が突如として再現されることである〔レスター・グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ-向精神物質の科学と文化』 杵渕幸子訳、妙木浩之訳、工作舎、2000年。ISBN 978-4875023210。273頁。(原著 ''Psychedelic Drugs Reconsidered'', 1979)〕。幻覚剤の体験から数ヶ月も経ったあとでは、起こることは稀である〔。世界保健機関の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』10版(ICD-10)における正式な診断名はフラッシュバックで、数秒から数分間の出来事と定義し、その用語集にて幻覚剤後知覚障害(Post-hallucinogen perception disorder)と定義し〔、アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』における正式な診断名は幻覚剤持続性知覚障害であるが、括弧してフラッシュバックと記され、その診断基準においては現実検討ができる視覚的な現象であるとしている。単なる体験とは異なり、障害である場合にはそれが重症であるという診断基準を満たす必要がある。 ストレスや不安、瞑想や酩酊や大麻の吸引など、自我の働きが変容しているときに起こりやすい〔レスター・グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ-向精神物質の科学と文化』 杵渕幸子訳、妙木浩之訳、工作舎、2000年。ISBN 978-4875023210。274-276頁。(原著 ''Psychedelic Drugs Reconsidered'', 1979)〕。幻覚剤を研究していたハーバード大学の心理学者のティモシー・リアリーは、脳の中の新しい知覚回路につながったので、意識が拡張され薬剤を必要とせず感覚が再現されると述べている〔ティモシー・リアリー 『フラッシュバックス-ティモシー・リアリー自伝』山形浩生訳、久霧亜子訳、明石綾子訳、森本 正史訳、松原永子訳、1995年。58-59、103頁。ISBN 978-4845709038。〕。 フラッシュバックの頻度に関して、2256人のリゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)の体験者の23%がフラッシュバックを経験したという報告がある〔レスター・グリンスプーン、ジェームズ・B. バカラー 『サイケデリック・ドラッグ-向精神物質の科学と文化』 杵渕幸子訳、妙木浩之訳、工作舎、2000年。ISBN 978-4875023210。275頁。(原著 ''Psychedelic Drugs Reconsidered'', 1979)〕。別の研究では、235人中28%がフラッシュバックを体験し、その64%が人生を邪魔するものではないと思い、またフラッシュバック体験について以下のような割合での感想が得られた〔。 *21% すごく気持ちよかった *36% 気持ちよかった *32% 少し怖かった *11% 恐ろしい ==診断コード== フラッシュバックは、幻覚剤に関連した障害として記されている。 ''DSM-IV''(『精神障害の診断と統計マニュアル第4版』)における、幻覚剤持続性知覚障害(HPPD)とは、この名称の後ろに括弧つきでフラッシュバックと記されている。HPPDでは現実検討は障害されないためそれが幻覚であることの自覚があり、診断基準Aにより色や動きに関する「視覚的な現象」であり、診断基準Bにより著しい苦痛や社会的な機能の障害を伴い、診断基準Cによりせん妄などの他の要因が除外されている場合である〔。第5版の''DSM-5''においては、大麻およびその成分のテトラヒドロカンナビノール(THC)は、幻覚剤ではないことが明記されている。 世界保健機関による''ICD-10''(『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』)においては、F1x.70フラッシュバックの診断コードが存在し、多くは数秒から数分間のことであり以前の薬物の体験に関しているという特徴から、他の精神病性障害と鑑別ができる〔、〕。世界保健機関の『アルコールと薬物の用語集』(''Lexicon of alchol and drug term'')が、F1x.70フラッシュバックとは、幻覚剤後知覚障害(Post-hallucinogen perception disorder)であると定義している〔 (HTML版 introductionが省略されている )〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フラッシュバック (薬物)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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